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日系企業インタビュー
【タイ編】

2023.11.13

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● 日本国内から海外進出をするまで
ゼロからスタートした海外立ち上げとタイ進出を決めた2つの理由

当社は、ビジネスコンサルティングの上流工程に特化したサービスを提供しており、日系企業の海外展開サポートや現地企業の戦略策定、新規ビジネスに関するコンサルティングをしています。タイではより最先端技術を用いたコンサルティングにフォーカスして提案しています。海外進出したきっかけは2つあります。

1つ目は当社も加盟しているAPN(Asian Payment Network)というAPACにおける電子決済を標準化する団体が2018年にハブ機能をバンコクに構築し、当該プラットフォームを活用したビジネスの可能性が高まったこと、 2つ目にグループ会社であるNTT DATA (Thailand) Co., Ltd.で上流機能を強化するニーズがあり、コンサルティングの依頼があったことが主な理由です。

そして今回、初の駐在員としてタイでオフィスを立ち上げることになりました。会社設立に あたっては0からすべて対応しました。オフィス確保、給与支払い、雇用契約作成、経費精算の仕組みから自分の住居まで、すべて一人で調べて対応しました。海外勤務規定の作成自体も自ら日本本社と協議しながら進めています。 もちろん一人ですべて対応することは大変である反面、自由度が高いことは良いことです。
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● 進出してから軌道に乗せるまで
コロナ禍で見えた新たな挑戦と戦略

日本で働いていた際は、経営コンサルティングの中でもFintech関連のプロジェクトに携わることが多く、その関係で立ち上げ当初は日本でお付き合いのあった金融機関のお客様を通じてビジネス展開していました。一例として、日本本社と連携し在タイ日系金融大手企業とのオープンイノベーションのビジネスコンテストプロジェクトの受託に成功しました。

2020年はコロナの影響で元々主軸で考えていた新規ビジネスの立ち上げや、クロスボーダー 案件が難しくなりましたが、良い機会と捉え、金融・決済以外の業界・業態に対する ソリューションを研ぎ澄ますことに力を注いでいます。

例えば、決済サービスに対するコンサルティングから派生して、物が売れるための仕組みづくりとしてのマーケティングやCRM関連のコンサルティングを最新デジタル技術を絡めて提供しています。加えて、タイ財閥系の大企業等の包括的なニーズにも対応するべく、グループ会社や海外の最先端技術を有する企業、法律事務所等と連携し、コンサルティング、最新技術(AI、ジオフェンシング、リアルタイムプラットフォーム等)、法規制(PDPA/GDPR、CSA等)といった総合的なサービスを提供することで競合である大手外資系コンサルティングファームにも負けないサービスの構築に努めています。
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● タイでの課題と文化の違い
コアメンバーと共に軸をもってビジネスを展開し市場を創出する

現在の課題としては、タイでのトップ人材の採用は苦労しています。タイでは人材のヒエラルキーは日本より明確なためトップの人材層は取り合いになっています。それでも組織の中核となる人材登用は経営を行う上で重要な要素の一つであるため、時間をかけてでも粘り強く採用したいと考えています。マネジメントに関して、国籍は大きく関係ないと思っています。

一方でタイでは“グレンジャイ”という本音は言わず遠慮する文化がありますので、日本人以上にカジュアルなコミュニケーションを取ろうと意識はしています。またゴールはしっかり 定義しますが、プロセスはあまり細かく言わないようにマネジメントしています。

今後海外で活躍される方に強調したいことは、長期的な視点を持って1つ1つ積み上げていくことが大切ということです。初年度/単年度の売上ばかりを気にするのではなく、3年、5年、7年と我慢してビジネスを遂行し、コアメンバーと共に軸を持ってビジネスを展開し市場を創っていくことが大切だと考えます。
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取材にご協力いただいた 株式会社エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所様

ありがとうございました

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