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日系企業インタビュー
【インド編】

2023.10.27

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● 日本国内から海外進出をするまで
はじめは大混乱、くらいついてコミュニケーションをとると、腹をくくった

以前は国内マーケットに特化していましたが、海外での需要を見込み進出を決断した際 今後の経済成長が期待されるインドを初の海外拠点に決めました。

2009年に、まずラジャスタン州ニムラナの工業団地内に工場用地を確保しました。 当初大変だったことは、社内に海外事業を推進できる人材が十分にいなかったことです。 遅々として工場建設、ビジネスの立ち上げが進まない中、2015年に社長として現地に 赴きました。初インドでした。当時は現地に頼れる人脈が無かったため、手探りで進める しかありませんでした。そのため、余計な時間や費用、労力を費やしたのは事実です。

その中で学んだことは、「判断を任せてはいけない」ということです。
インドでの仕事、生活は慣れるまでとても大変なので、日本語が喋れるインド人や、 他の日系企業で就業経験があり、日本人マインドを知っているインド人に任せたくなってしまいます。 しかし、承認をするにしても、盲目的に任せるのではなく、自分でコミュニケーションを取ることを あきらめず、判断の責任を取るという覚悟が大切だと考えています。

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● 進出してから軌道に乗せるまで
オンラインセールスというブレイクスルー

ベルテクノのステンレス製ウォータータンクは、インド市場では新しい
商品であったため、セールス体制を立ち上げ軌道に乗せることは、大きなチャレンジでした。

最初に2名のセールス担当を雇いましたが、1人は仕事ができず、もう1人は注文を少しずつ取ってきた のですがキックバックの不正を行っていました。これはきりがないなと思いました。

そこで2017年ごろからオンラインセールスの仕組みを立ち上げると、少しずつ注文が入るようになりました。 デジタルマーケティングで市場分析を行い、注文が多かったプネにセールスオフィスも設立しました。 そこでは現地出身で現地語を喋れる営業マンが優良顧客と良い関係を築いてくれています。

そこで学んだことは、「期待しない」ということです。
これは悪い意味で言っているのではありません。日本とインドにおける常識は非常に違うものです。 最初は、日本の常識を物差しにしてしまった事で、仕事や私生活上で様々な問題が起こり、 大きなストレスとなりました。しかし相手に期待をせず、全て自分で責任を持つということを 覚悟したことで、「期待はしない、しかし希望はある」ということを理解できるようになりました。
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● いまだから話せる失敗談
体力には自信があったのに… 私生活もつらい!インド生活

今だから話せる小話は、赴任後の半年で体重が10kg痩せてしまった事です。 学生時代は体育会で運動部に所属していたり、前職でも高い水準の成果を求められる営業をしていたので、 精神的・肉体的な自信はそれなりにありました。しかし、インドという 異国の地での生活に、それらは一瞬で打ち砕かれました。食事やお水もお腹に合いません でしたし、仕事でのプレッシャー、思うようにいかないストレスで不眠症や、ホームシックにもかかりました。 インドに閉じ込められたような感覚でした。

少しずつ現地の日本人と繋がりもでき、想いを共有できる仲間ができたことで、だいぶ楽になりました。 また、オーナーから「焦らなくて良いから、体にだけは気を付けて」と言って頂けた事が、 大きな励みとなりました。

人材育成も試行錯誤しました。今は、属人化させないような仕事内容、従業員全員が自分の持ち分を精一杯頑張り、 その状況を最大限に称えるという評価の仕組み、また、将来的な 現地化の達成を目指して、組織作りを行っています。いくつかの部門で達成できつつ ありますが、すべての部門でそれが達成できたときに、自分がインドに来た意味があったと胸を張って言える気がします。
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取材にご協力いただいた ベルテクノ インディア様

ありがとうございました

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