異文化マネジメント

社長が勝手に決めたインターン受け入れ
発表した時は社内が凍りついたほど「内向き志向」でした

Q.インターンシップを受け入れようと思ったきっかけを教えてください。

自社ビジネスで海外取引に関わっているものの、日本人社員の海外に対する苦手意識が強い状況でした。例えば、業務内容は日本国内業務とほとんど変わらなくても「中国」や「アメリカ」という単語を聞いただけで、社員は海外業務に手をつけない状態…（苦笑）。この内向きな状況をなんとか変えたいと思っていました。今回の外国人インターンを受け入れると発表した際も、社内では反対意見の方が多かったです。しかし、社員にその必要性を語り、無理をしてでも今回受け入れてみて本当に良かったと感じています。

ベトナム商品を日本に輸入することを目標に
「思わぬ落とし穴」によって大事なことに気づかされました

Q.どんなインターンシップを行いましたか？

インターンはベトナムの貿易大学出身なので、インターンシップの目標はベトナムの商品を一つ輸入し日本で販売することにしました。インターンにはWEBページを作成しベトナムの企業に数百通問合せしてもらいましたが、全く返信がなく、本人のモチベーションも日に日に下がっていきました。「何かおかしいな？」と思い、インターンとの会話をしていると、こちらが依頼した「ベトナムの製品を日本で売ってくれる企業」ではなく、「日本で売れている製品をベトナムでも販売している企業」を探していたことが判明し、全く違った問い合わせをしていたことに気づきました。ここでかなり時間をロスしてしまいましたが、コミュニケーションを丁寧にとっていくことの大切さを学びました。日本語では主語を飛ばしてしまい、ミスコミュニケーションに繋がることが多かったので、会話だけではなく絵や書面でも説明するように工夫し、お互いに理解するよう改善しました。

新規事業をインターンが先導してくれ、日本人社員の海外への苦手意識も吹っ飛びました

Q.受入前後を比較して、あなた自身や社員・組織にどんな効果がありましたか？

ベトナム製品輸入は順調に進んでおり、いくつか製品を取り寄せ、販売先も普段のお客様がいるので、軌道に乗りそうです。当社としては新規事業なのに、海外の学生がここまでやってくれたのは非常に驚きました。おかげで海外製品の輸入業務のスキームが作れたので、今後は他の国にも応用させて、さらなる海外展開もできそうです。そして、インターン受け入れ当初からの目的であった日本人社員の海外への苦手意識。これは劇的に変わりました。インターンの人柄もあると思いますが、ベトナムに興味をもち来年ベトナムに旅行にいきたいと言っている社員や、海外業務を手伝おうとする社員も出てきました。受け入れを反対されていたのが嘘のように、今はウェルカムモードです。たった一人の外国人インターンが内向きな組織を外向きに変えてくれました。