ソーラーエネルギーに関わる情報収集を行い、
インド進出の可能性を探る

Q.インターンシップを受け入れようと思ったきっかけを教えてください。

当社は、昭和25年創立以来、光学や半導体分野の「研磨・洗浄・薄膜・測定」の工程に使う設備や消耗資材の販売をしてまいりました。海外販売先は主に韓国、中国、東南アジアですが、数年前よりインド向けにソーラーパネルの部品(シリコンウエハー)加工機材の輸出を検討していました。当社でも独自の市場調査情報や潜在顧客リストは持っており、商社として海外進出のノウハウはある程度あったものの、インド市場は未知のことが多くリスクの把握と、ソーラーエネルギー事業の情報収集をしてインド進出の可能性を探る必要がありました。ただ、地盤のまだないインドへの投資はハードルが高くどうすればいいか悩んでいたときに、当事業のウェブサイトの事例を見て、活動のイメージをつかむことができたためエントリーしました。申込んだとほぼ同時にインドのソーラ―パネルの部品製造会社から引き合いもあり、インターンシップの目標設定が明確になりました。

インターンにとって専門外となる調査の依頼に
「タスクの見える化」でしっかり対応

Q.どんなインターンシップを行いましたか？

ネハさんにはまず、インドのソーラーエネルギー事業に関する日系リサーチ会社の報告書を読んでもらい、分からない箇所を質問してもらいました。彼女は観光業が専門の学生だったため、全く知らないことをお願いすることになることは想定しており、当事業サイトの事例紹介に出ていたある製造業のケースを参考にしました。具体的には、はじめにインターンから分からない単語や情報の質問を受け、メールで返信するようにしていました。また調査の後のクロスチェックの方法やネットで調べた後のデータの照合、資料作成方法やプレゼンの仕方などしっかりと順を追って指導するようにしました。さらに毎週2~3回、オンライン会議を行いタスクを説明し、その場で疑問点を聞いていただくだけでなく、事前に内容をメールで送るなど「タスクの見える化」を心がけました。市場調査以外の活動としては様々な部署の社員と「おやつタイム」を設け、お互いの文化について意見交換する場を設けました。お菓子を持ち寄ってリラックスした雰囲気で会話を楽しむことができました。

インドでのビジネスチャンスの可能性が広がった

Q.受入前後を比較して、あなた自身や社員・組織にどんな効果がありましたか？

一番の成果はインドが太陽光発電を含む再生可能エネルギー計画を推し進めている裏付けが取れたことです。今回インターンに行っていただいた調査はインド進出をする上で明確な戦略を立てることに役立ちました。インドの高度経済発展による電力需要の急速な拡大と供給不足という現状に加え、世界的なコロナ感染拡大の影響で再生可能エネルギーへの投資計画を見直す必要性が出てきており、そこに我々のビジネスチャンスがあります。もうひとつはコミュニケーションスキルの向上です。私は直近まで海外赴任しており、グローバルコミュニケーションスキルにはある程度自信がありましたが、オンラインでのインターンシップで画面越しでも相手の表情を汲み取ったり、相手に伝えるための準備と工夫などさらにコミュニケーション上の課題や改善点を見つけることができました。また日本に対して憧れと高い志をもった若者の夢や目的に寄り添う気持ちがあれば、相手も企業の期待に応えようという姿勢を見せてくれるということを実感することができました。