思い出に残る国際交流経験で、「自国と日本の架け橋になりたい」と思う外国人材を育てたい

Q.インターンシップを受け入れようと思ったきっかけを教えてください。

当社は中東をターゲットにビジネスを展開するインバウンド向けの旅行会社で、主にGCC諸国の富裕層向けのラグジュアリートラベルを提供しています。専用プランの作成・予約・在日中のサポートなどを含む一貫したサービスは、お客様との距離が近いことが特徴です。事業運営において英語でも問題なく進めることはできますが、顧客から厚い信頼を得るためにはアラビア語人材が必要だと感じていました。
また、親日外国人材の育成も重要な目的です。思い出に残る職業体験を提供し、有望な人材に日本を理解してもらい、「自国と日本の架け橋になりたい」という思いを育てたいと考えていました。繋がりがビジネスチャンスになりうる業界であるため、インターンシップで関わる方々に「おしん」という名前を覚えてもらうことはチャンスをつかむ1歩にもなりえると考え、参加しました。

遠く離れたモロッコと日本での活動のカギは、
「時間」「コミュニケーション」を軸としたオンラインマネジメントの工夫

Q.どんなインターンシップを行いましたか？

今回インターンのヒバさんにお願いしたタスクは、GCC諸国のマーケティングリサーチです。営業候補先リスト作成、日本旅行先、プロモーション用SNSなどの調査を依頼しました。方法はインターネットですが、単純に検索エンジンで調査すると、精度の低い情報になってしまいます。そこで、ターゲットの明確化、検索ワードの工夫をアドバイスし、効率的なリサーチ方法を構築しました。オンラインでも、旅行業とマーケティングの基礎知識のレクチャーや旅行業界の豊富な知識を持つ社員との交流などを通して、会社の雰囲気を感じてもらえたと思います。
また、モロッコと日本は8時間の時差があるため綿密なコミュニケーションが取れる様工夫する必要がありました。ヒバさんは就業しながらインターンシップに参加していたので、活動を２つの時間に分け、フレックスタイムで働くスタイルを取りました。日本の午後(モロッコの朝)をコアタイムとし、Web会議にてタスクの進捗など、コミュニケーションを取り、モロッコの午後(日本の夜中)に自分でタスクを実行していただきました。

「成果物」プラス、今後の採用に向けた「受入体制の整え」によい準備機会となった

Q.受入前後を比較して、あなた自身や社員・組織にどんな効果がありましたか？

現地語での検索で得られる濃い情報で、不確定情報をクリアにできたことは大きな成果です。最適なプロモーション時期・ツアー内容の検討などに活かせると感じています。また、営業先リストの作成においては、時間がかかり苦労したと思いますが、リストを元にすぐにアクション出来るほど、高い精度で作成してくれました。また、受入が決定してから活動開始までの期間は、会社・業界についての資料をまとめ準備をする良い機会になりました。当社のような少人数で動くスタートアップ企業は、外国人材に限らず採用の際に受入体制を整えることは容易ではなく、この資料をベースに今後採用時に受入体制を整えられると思っています。
すでに外国の方とのやり取りには自信がありましたが、活動の中で参加した事務局主催の研修での他企業との意見交換や講師の方のお話は新しい気づきがあり、「インターンへの指示はどのように出すか」新鮮な気持ちに戻って考え、ヒバさんとのやり取りにも活かせたことは非常に有意義でした。