外国人材がマネジメントに加わることで、
どのような効果があるのか試してみたい

Q.インターンシップを受け入れようと思ったきっかけを教えてください。

当社は「めん馬鹿一代」というラーメン店を経営しています。来客の90％が外国人のため、外国人のパートタイムスタッフも多く在籍しています。しかし、マネジメントを行う本部社員は日本人ばかりです。外国人をお客様としたビジネスを行う上で、外国人目線の意見を積極的に取り入れていきたいと考えていました。ちょうどその頃、このプログラムを知り、外国人材が当社のマネジメントに加わることで、どのような効果があるのか試してみたいと思い、応募しました。当社では、構想はしていたものの、長い間計画がストップしていた「ラーメン作りの体験事業」がありました。インターンには、この体験事業「Ramen Factory」の立ち上げにゼロから携わってもらいたいと考えていました。

インターンとともにゼロから立ち上げ準備。
ディスカッションを繰り返し、約1ヶ月でオープン！

Q.どんなインターンシップを行いましたか？

来日前、インターンとオンラインミーティングを行い、随時SNSでディスカッションを重ねました。また、事業のスタートアップということで、外資ベンチャーの成功軌跡を描いた本を課題図書として与えました。来日前に決まっていたことといえば、店舗物件、コンセプト、ある程度の機材のみで、20％ぐらいの準備しかできていませんでした。インターン来日後、私を含めたスタッフ3名とインターン2名で、開業のために必要な残りの80％をやり遂げ、約1ヶ月でオープンまでこぎつけました。インターンは、ロゴの選定、WEBサイトのコンテンツ案制作、プロモーション・営業活動、スタッフトレーニングの教材作成など、立ち上げに必要な様々なタスクに主体的に取り組んでくれました。
活動を始めるにあたって、ある程度のロードマップは示しましたが、その後は基本的にディスカッションの中で方向性を決めるというやり方を重視してきました。彼らにポテンシャルがあることは十分承知していたので、こちらから答えを示すということはせずに、彼らの能力を最大限に活かせるように工夫しました。ときには失敗もありましたが、その失敗も全員で共有することで当社の知財となりました。

インターンの提案でコンセプトを変更！
売上は開業当時の3倍に

Q.受入前後を比較して、あなた自身や社員・組織にどんな効果がありましたか？

最大の成果は、たった1ヶ月の準備期間で開業にこぎつけられたことです。しかし、最初の2週間は満足に売上が上がりませんでした。そんな中、インターンから「体験なしでもラーメンを食べられるようにしよう」という提案がありました。確かに体験する時間がないということで諦めて帰るお客様がいたのは事実です。しかし、彼らの提案は「ラーメンを作って食べる」というコンセプトを根底から壊すもので、到底受け入れられませんでした。しかしながら、彼らの提案のもとは、なんと私が与えた課題図書でした。「途中でコンセプトを変更したからこそ、成功にたどり着いた」というストーリーを参考に提案しているということがわかり、それを聞いたときは非常に感動しました。そして、彼らの提案を受け入れ、コンセプトを変更することにしました。現在は「ラーメンを作る体験ができる、ハラールラーメンを食べることもできる」という二本柱で成り立っています。彼らの提案を受け入れた結果、売上は最初の2週間から比べて3倍になりました。柔軟な視点と考え方、そしてときにブレークスルーを起こす大切さをインターンから学びました。