海外展開に向けた現地の情報収集と
社員の外国アレルギー克服を目指して

Q.インターンシップを受け入れようと思ったきっかけを教えてください。

当社は入浴剤や化粧品、機能性食品などの製造販売を行って、今年で創業70年になります。元々、国内中心に展開していましたが、少子化の影響もあり、国内市場は縮小傾向にありました。そのため、数年前より海外展開を模索しており、ベトナムへの展開を考えていました。しかし、初めての本格的海外進出なので、ベトナム現地でどのような商品が好まれるのか、考え方や法規制など、わからないことばかりでした。また、社員の中には英語や外国に対して苦手意識を持っている者も多く、海外から電話がかかってくると対応に戸惑っている様子でした。そんなとき、このプログラムを知り、インターンからベトナムの生きた情報を得たい、また、日本人社員に、文化や言葉の違いを超え、国際的な感覚を身につけてほしいと思い、応募しました。

インターンの率直な意見や提案が
ベトナム向けの新商品開発を加速させた

Q.どんなインターンシップを行いましたか？

当社は、良質な地域資源である北アルプスの天然水と、富山の海洋深層水という自然素材を活かし、製品を開発しています。インターンには、まず、当社の製品の特長を理解してもらうために、製品情報とともに、富山の環境や文化についても紹介しました。
インターンは薬学専攻だったので、当社研究所において実験・分析などの基礎研究業務を体験してもらいました。その後、ベトナム展開に向けて開発中の新商品について、色々と意見を出してもらいました。現地パートナー企業との開発会議や社内会議に参加してもらい、商品選定、デザイン、価格設定などにアドバイスをお願いしました。さらには、ベトナムで現在販売している競合他社商品や法規制などをリサーチしてもらい、当社製品に関して率直な意見をもらいました。彼のおかげで、遠回りすることなく商品化へたどり着き、時間も大幅に短縮できました。その結果、来年春には、新商品がベトナムで店頭に並ぶことが決まりました。これは当社の本格的海外進出への第一歩であり、大きな成果となりました。

インターンの意見が自社のマネジメントを見直すきっかけに

Q.受入前後を比較して、あなた自身や社員・組織にどんな効果がありましたか？

インターンを受け入れたおかげで、当初の目的であった社員の外国に対する苦手意識は大きく改善しました。インターンは日本語が話せなかったのですが、社内には「外国人＝英語＝苦手」と考える社員がほとんどであり、初めは相互のコミュニケーションに不安を感じていました。しかし、インターンと社員が交流できる機会を設けたことがきっかけとなり、片言の英語しか話せなくてもコミュニケーションをとろうとする社員が増えてきました。言葉は通じなくても仲良くなれることがわかり、英語や海外に対する恐怖感もなくなっていきました。今後、社を挙げて海外展開を進めるための基盤となる社内意識が醸成できたことは、大きな成果です。
また、インターンは当社のマネジメントに関する問題点を、遠慮することなく率直に述べてくれました。以前から課題となっていた点だけでなく、今まで気づかなかった課題についても、外国人ならではの視点で気づき、指摘してくれました。彼の意見のおかげで、自社のマネジメントの問題点が浮き彫りになり、今後改善に向けて取り組むきっかけとなりました。