専門的な知識・技術を持った外国人材から
今後のマネジメントや海外展開に関する意見が聞きたい

Q.インターンシップを受け入れようと思ったきっかけを教えてください。

知り合いの製造業の会社から、外国人インターンを2ヶ月間受け入れた結果、予想以上の成果をもたらしてくれたという話を聞き、当社でも海外展開への足がかりや、外国人と一緒に働くための社内環境整備のために、ぜひ高度外国人材のインターンを受け入れたいと考えていました。当社には、すでに外国人の従業員が数名いますが、彼らは専門的知識を持っていません。外国人材活用に新たな可能性を見出すべく、専門的知識・技術を持った方を受け入れたいと考えていました。昨年インターネットでこのプログラムを知りましたが、そのときにはもう応募締切を過ぎていたので、それから毎月WEBサイトにアクセスして、今年度の募集開始を待ち、応募しました。そして、マレーシアの専門学校で、加工機械の製造工程を教えているという現役教師のインターンを受け入れることになりました。

インターンの能力に合わせ、到達目標を変更
こまめなフィードバックとフォローが必要不可欠

Q.どんなインターンシップを行いましたか？

当社で実際の活動を始める前に、インターンに日本のものづくりのやり方を説明して、マレーシア人から見てどのように感じるかなど意見交換を行いました。じっくり話し合ってから、活動がスタートできたのはよかったと思います。最初は、彼女の知識・技術について把握しきれていなかったので、到達目標もあまり高くないものを設定していました。現場での活動に携わってもらう中で、手応えを感じ、外国人技術者の視点で、当社の作業効率改善に貢献してもらいたいと思い、到達目標を変更しました。
今回のインターンシップにおける到達目標は、社員にも伝え、実際の指導は現場社員に任せました。最初は、半信半疑だった社員も一緒に働く中で、彼女の能力を認識し、彼女になら安心して任せられるという信頼感を築いてきました。私は、インターン・現場社員から毎日報告を受け、こまめにフィードバックとフォローを行いました。この三角形の関係性の構築が、活動をスムーズに進めることに繋がったと感じています。

一緒に活動する中で、社員の外国人に対する見方が変化していった

Q.受入前後を比較して、あなた自身や社員・組織にどんな効果がありましたか？

専門的な知識・技術を持ったインターンとの活動を通じて、現場社員の中にあった「大切な仕事は日本人にしかできない」という意識が変わっていきました。技術的な基礎知識を持っていれば、日本人であろうと外国人であろうと、同じクオリティで仕事をこなすことができるということが実感でき、外国人材に対する見方も変わってきたようです。外国人を受け入れる際、日々のフォローアップ体制作りが不可欠だと実感できたことも成果の1つです。事務局に提出する日報も、インターンとのコミュニケーションツールとして有効活用しました。今回の経験を、今後の外国人材活用にぜひ活かしていきたいです。
また、当社の課題であった作業効率改善に対して、インターンが技術的な提案をしてくれたおかげで、いくつかの課題を解決することができました。具体的には、業務で使用する専用冶具のデザイン・作成を行ってもらい、その結果、作業時間を約70％削減することができました。