海外市場でのさらなる売上向上と新たな販路開拓のために

Q.インターンシップを受け入れようと思ったきっかけを教えてください。

当社の主力商品は、自然豊かな菊池市の天然水を100%使用した水素水です。水素水製造のパイオニアメーカーとして、製造・販売を行ってきました。国内では水素水ブームが起こり、認知度は高くなりましたが、現在そのブームも去り、国内市場は縮小傾向にあります。そのような中で、当社は海外販路を模索し、2015年より台湾・香港、 2017年よりシンガポールへの輸出を開始しました。シンガポールへの輸出はまだ始めたばかりですが、現地での反応がよく、可能性を感じていました。シンガポールを始めとする東南アジア市場に対して、本格的に力を入れていこうと考えていたときに、このプログラムを知りました。海外市場での売上向上・海外販路開拓のために現地のリアルな情報を知りたいと考え、応募しました。また、社内には海外に対して苦手意識を持っている社員も多く、その苦手意識を軽減させたいという気持ちもありました。

インターンとのこまめなコミュニケーションが成功のカギ

Q.どんなインターンシップを行いましたか？

日本に来る前に、インターンには彼女たちのミッション、職場環境・生活環境についての情報をしっかりと伝えておきました。また、既存の当社LINEグループに招待し、社員とインターンがお互いに自己紹介を行いました。受入前のコミュニケーションを蜜に行うことで、来日後スムーズに活動を開始することができました。
活動開始後は、事前に伝えたミッションに沿って、インターンシップに取り組んでもらいました。海外展開について現地の情報を得るために、インドネシア・マレーシア・シンガポールの市場調査を3つのトピックで行ってもらいました。まず、顧客のターゲット層、適正価格を知るために国の概況について調査をしてもらいました。次に、新商品開発のために美容ゼリー・サプリメントの市場調査、それから、販売戦略を策定するために水・ソフトドリンクの市場調査をお願いしました。その結果をもとに、販売戦略や新商品開発について一緒に話し合い、有益な意見をもらうことができました。また、会議を設けずに頻繁に話し合いをするのが当社の社風なので、インターンともこまめに意見交換の機会を設けました。

日本のやり方ではダメ
現地に合った販売戦略のための詳細な情報が得られた

Q.受入前後を比較して、あなた自身や社員・組織にどんな効果がありましたか？

成果の1つは、海外販路開拓のために必要な情報が得られたことです。インターン2名の調査により、日本と各国との相違点を明確化でき、国の概況から、嗜好、成分に関する制限、適正価格、購入経路、配達方法など細部にわたって把握することができました。日本の販売方法を現地にそのまま持ち込んでは売れないということをはっきりと認識した上で、商品開発に取り組むことができたのは大きな成果です。2つ目は、ムスリムのインターンと一緒に働くことを通じて、ムスリムに対する理解が深まったことです。これは、今後海外で営業をしていくのに、大いに役立つと思います。3つ目は、社員の海外苦手意識の軽減です。受入当初は少し壁があり、なかなか自分から話しかける社員は少なかったのですが、徐々に外国人と一緒に働くという環境に慣れていき、積極的にコミュニケーションをとるようになりました。全ての部署と関われるような活動計画を立て、社員との関係構築のきっかけ作りとして交流イベントを開催したことが功を奏したと思います。一度話せば、その後は距離も近くなり、たとえ英語ができなくても、臆せずコミュニケーションをとるようになりました。