日本の防災・環境適応技術を世界へ
2か国のインターン同時受入れにより海外展開ビジョンがさらに明確に
株式会社MAMORU JAPAN
東京都/サービス業
ナウファル ブディ ラクソノ
インドネシア/インドネシア大学 工学部土木工学科
アニス シャヒラ ビンティガザリ
マレーシア/ペトロナス工科大学 石油地球科学
海外ビジネス展開の新たな基盤の構築と
インターンとの協業による異文化マネジメントの経験
- Q.インターンシップを受け入れようと思ったきっかけを教えてください。
- 弊社は、2023年3月に設立したスタートアップで日本の優れた防災 減災テクノロジーや仕組みを海外へ発信し、海外政府や企業とのマッチングを推進する事業を展開しています。
かねてより将来的に海外へ進出したい!という思いを持っていましたが、「いかにタイムリーに海外の情報を収集するか」いう課題がありました。しかし、情報収集を行うにも自分たちの力だけで集めるのは限界があり、弊社のようなスタートアップにおいて、いきなりの外国人材の採用はかなりハードルが高く、これまで外国人材との協業経験もなかったため、現地の生の情報をタイムリーに得られるオンラインでのインターンシップは有用ではないかと考え、今回応募いたしました。
活動において、まずは将来の市場候補であるマレーシアとインドネシアに対して、市場調査を実施する計画を立てました。両国は、日本から遠く離れており、異なる文化やビジネス環境を持つ国です。本事業を通じて、両国への海外ビジネス展開に備えるための基盤を築きたいと考えました。
マレーシアとインドネシアのインターンが、
お互いのレポートを通して学びを深めている場に出会えた!
- Q.どんなインターンシップを行いましたか?
- インターンが現地に居住している強みを活かし、より解像度の高い防災マーケットの調査分析を依頼しました。日本からデスク調査を行うより、本質的で具体的な分析結果を獲得し、弊社の戦略策定に役立てたいと考えました。アジアは世界有数の災害発生地域であり、特にインドネシアは災害大国だということは事前に把握していましたが、インターンのレポートを通してマレーシアもかなりの災害が起きており、同国政府は相当な危機感を感じているということも新たに知ることができました。
インターンが作成した災害状況の調査結果は、最新のアプリなどを駆使し洗練されたレポートとなっており、期待をはるかに超えた内容で、非常に大きな収穫となりました。また、お互いがそれぞれのプレゼンについての質問を行うことで調査内容に付加価値が加わり、国籍の異なる2名のインターンが切磋琢磨しながら活動してくれたことも、とてもいい刺激となりました。
例を挙げますと、マレーシアのAnisさんは資源・地球学の専門家ですが、インドネシアのアカデミズムにも詳しく「この問題はインドネシアの著名な教授が詳しいのではないか?」と提起するとインドネシアの土木工学専攻のBudiさんがフットワーク軽くその教授に即座に面会を取り付けて、ヒアリングを実施するということがありました。
このインターンシップを通じて、国籍を超えたコミュニケーションが可能になったことで想定外の成果が生まれたと感じています。
インターンの斬新なアイデアやアプローチにより、
新たなビジネス機会の創出や構想の拡大にも繋がった
- Q.受入前後を比較して、あなた自身や社員・組織にどんな効果がありましたか?
- 当初期待していた以上の成果がありました。彼らからのレポートは単なる調査と言うだけでなく両国のビジネスチャンスや市場参入の際のコンタクト先なども含まれており、弊社の海外戦略に具体性が加わったと感じます。
また、受入前と比べ、現地に対する印象が、非常にポジティブになりました。良い意味での想定外のナレッジの蓄積はもちろん、最新のテクノロジーを駆使する姿にも感銘を受けました。インターンの斬新なアイデアやアプローチにより、新たなビジネス機会の創出や構想の拡大にも繋がっています。具体的には、マレーシア、インドネシアの市場解像度が高まっただけでなく、東南アジア全域を見据えたビジネスの在り様も描けるようになりました。
さらに、インターンとのコミュニケーションを通じて、私自身の英語スキルの向上や共生文化・多様性への理解が一層深まりました。弊社としては、インターンシップ終了後も引き続き彼らとコミュニケーションを取り、是非とも彼らとの長期的なパートナーシップを築いていきたいと考えています。2名とも非常に優秀なので、今後様々な未来を拓けることは明白ではありますが、今回の活動が彼らのキャリア形成の一助になっていると嬉しいです。
世界的な防災産業と耐災力向上の分野で得た洞察と、将来への指針
- Q.インターンシップで得られたことを教えてください。
- <Budiさんコメント>
今回の活動を通して、世界的な防災産業や耐災力向上などの防災技術に触れることができ、災害大国として知られるインドネシア出身の私にとって、非常に貴重な経験になりました。さらに、メンターの近藤さんのもとで行った3C分析によって、市場情報の効果的な収集方法を学び、新たな戦略的思考を身につけることができました。
膨大な量の文献調査を基に国際市場分析を行い、防災関連のマネジメント手法を学ぶなど、この活動で得たスキルと経験も非常に有益だったと感じています。これらの経験は私の専門分野である土木工学においても将来役に立つ知識でした。異文化コミュニケーションを通じて国際的な協力関係を築くことはなかなか難しい課題ではありますが、未来の世界的な建設プロジェクトにおいては不可欠な要素です。この経験が私の将来への指針となり、より広い視野で社会へ貢献できると確信しています。
<Anisさんコメント>
このインターンシップでは、出身国のマレーシアを含む東南アジア地域における災害管理と、そのソリューションの市場について学ぶことができました。さらに、市場動向の調査を通じて地域特有の課題を知ることが出来ただけでなく、データ収集、分析、解釈のスキルを身に着けることができました。
自然災害が地域社会や経済に与える影響に対して深い理解を得たことで、将来的な災害管理における具体的なアクションプランについても考えることができました。今後は、獲得した知識とスキルを活かし、災害管理分野で貢献したいと考えています。特に、地域のレジリエンス(困難を乗り越える回復力)を高める持続可能なソリューションを提供する組織でのキャリアを築きたいです。今回の活動は、オンラインではありましたが素晴らしい経験であったと感じます。