海外でのM&Aを目指しグローバル化を実践

Q.インターンシップを受け入れようと思ったきっかけを教えてください。

VR(バーチャル・リアリティ)やMR(ミックスド・リアリティ)技術は、ゲームやエンターテインメント業界を通じて日常に浸透しつつあります。当社は、この最先端技術を医療業界に向けて開発・提供している2016年に設立したスタートアップ企業です。ヘッドセットをつけると、目の前の空間に患者さんの骨や血管の3Dモデルが現れ、詳細な手術前シミュレーションができたり、複数人で共有もできるので、医師同士や患者さんとのコミュニケーションを今まで以上に円滑にとることができます。最終的に、グローバル企業へM&Aをすることを考えており、これまでも積極的に海外と関わり、展開を進めてきました。さらなる国際化にあたり、英語対応力の強化が必要になってきました。そんなとき当事業を知り、国の支援を受けて、国際感覚の醸成や海外人材との協働を日本にいながらにして実践できる、費用対効果の高いプログラムだと思い応募しました。

得意分野をすり合わせ、マニュアル動画制作や
マレーシアのマーケットリサーチで貢献

Q.どんなインターンシップを行いましたか？

インターンはソフトウェアエンジニアリングを専攻し、スマートフォン用アプリの作成経験のある方でした。最初の一か月は、製品や特長を理解してもらいながら、目指す成果とインターンの得意分野をすり合わせていきました。その後、スウェーデン、インド、台湾のビジネスパートナーに向け、アプリケーションのセットアップやインストール方法のレクチャーなどをWeb会議システムを通じて行ってもらいました。英語が堪能だったので、今まで以上にスムーズなやりとりができました。そのほか、動画編集も得意だと分かり、マニュアル動画を作成してもらいました。当社のアプリケーションを利用する際は、感覚的な操作やヘッドセットを通じて見える映像をお客様に理解して頂く必要があり、文章だけでは伝わりづらい部分を字幕付き動画で分かりやすくしてもらいました。また、インターンの母国であり、当社が特に進出を目指しているマレーシアのリサーチをお願いし、知見を得ることができました。彼女は、依頼したタスクを最後まで責任をもって取り組んでくれました。

実体験を重ね
ブラッシュアップできた

Q.受入前後を比較して、あなた自身や社員・組織にどんな効果がありましたか？

これまでも外国人とのやりとりや英話でのコミュニケーション経験がありましたが、インターンとの日々の協働を通じて、英話と日本語の会話表現の違いを実感しました。英語は、日本語以上に構成を整え、順序だてて伝える必要があり、日ごろからの意識づけが欠かせないと思いました。また、イスラム教徒である彼女は、活動時間内に数回のお祈りをし、食事にもいくつかのルールがあります。社内ではその事をあえて特別視せず、当たり前のこととして接しました。そして、彼女が東京にあるモスクを案内してくれ、施設を見学する機会をつくってくれました。モスクは様々な人を迎え入れており、心が落ち着く場所であると分かり、マレーシアやイスラム文化の理解を深めるよい機会となりました。固定観念に囚われず、国・文化・個人によって価値観が違うことを理解し、特性や個性を尊重することの必要性を改めて感じました。異なる文化を持つ人材を社内に迎え入れる実践的な機会を得て、グローバル企業を目指すためのさらなる一歩になりました。