フィリピン事業を進めるための
現地で通用するビジネスや戦略を練りたい

Q.インターンシップを受け入れようと思ったきっかけを教えてください。

当社は、眼科で取り扱う医療機器や消耗品など眼科における様々なサービスを展開している眼科専門商社です。35拠点の国内営業所を中心に活動していますが、国内需要が飽和状態にあり、今後、高齢化に伴い医療制度が厳しくなることが予想されます。そんなとき、社内プレゼンテーション大会でフィリピンへの事業展開の提案機会があり、賛同が得られたことをきっかけに、一社員としてフィリピン事業を進めることになりました。フィリピンをマーケットとして目を向けた理由は、親日家が多く英語が通じること、そして当社のような商社機能が現地に存在しないことを知り、現地で通用するかどうかを探ってみたかったからです。初めての海外展開だったため情報収集から始まり、現地調査に出向きフィリピンの病院やクリニックを訪問していく中で、もっと現地の商流や生活習慣を学ぶ必要性を感じました。フィリピン人のインターンを受入れることで、フィリピンの文化について教えてもらうこと、高度人材ならではの知恵を借り、現地で通用するビジネスや戦略を一緒に練り、進出の力になってもらうこと、以上の理由から応募に至りました。

営業や手術立ち合いなど体験から眼科医療器機、
商社の役割について理解を深める

Q.どんなインターンシップを行いましたか？

まず、当社が扱っている眼科医療器機、商社の役割について知ってもらいました。前半は、社員と営業に同行をして、現場で医療器械に触れたり、医師やコメディカルとの商談、物流や物品の管理を経験し、医療機器や日本の眼科について理解を深めてもらいました。後半は器械カタログの英語翻訳、海外文献の和訳、さらにインターンは母国でアナリストとしての経験があったので、フィリピン市場のマーケティング調査・分析をしてもらいました。インターンとは日本語と英語を交えてコミュニケーションを図っていましたが、最初は言語の壁を感じました。そのため、主語と述語を明確にして話すこと、簡単な日本語を使うことを社員に意識してもらいました。結果的に業務説明の仕方について見直すきっかけとなりました。他にも、本人の了承を得た上で手術の立ち会いを経験して、眼科器械がどのように使われているのか見てもらうことで理解を深めたり、京都の学会に参加して他社の器械も知ってもらいました。業務外でも歓迎会や観光、ホームステイなど多くの交流ができ、インターンとの距離が縮まったと思います。

今回の経験や有益な情報を活かし、
フィリピンでの販路拡大の可能性を探る

Q.受入前後を比較して、あなた自身や社員・組織にどんな効果がありましたか？

海外人材インターンの受入れを通して、フィリピン進出に向けて大きく前進することができました。インターンと一緒に営業同行することで、社外や眼科医の先生に当社の取り組みを知ってもらう良いアピールに繋がったと思います。また、社内でも他の社員たちにこれから取り組んでいきたいことを知ってもらい、異文化に触れてもらうきっかけになりました。これまでもフィリピン人と仕事で関わる機会はありましたが、今回のインターンは高度人材ならではで仕事のスピードが早く、日本人社員の仕事のやり方を見つめ直すきっかけにもなりました。社内で海外案件を扱う事業部がありませんでしたが、来年の春以降に海外事業部を設置する動きが出ています。さらにはフィリピンへの現地調査を目的に当社社員を駐在員として派遣することを検討しています。現地調査を進めていく上で、販路拡大の可能性を感じるようであれば、現地法人設立も視野に入れていきたいと考えており、まだ手探りではありますが、今回の経験や有益な情報を活かし、「知らないことを知る」精神でビジネスチャンスを掴んでいきたいと思います。