インドネシアでの市場調査・開拓を進め、
現地水道局での案件形成および受託を目指す

Q.インターンシップを受け入れようと思ったきっかけを教えてください。

当社は横浜市に本社を置く漏水調査の専門会社です。地下埋設の水道管に発生する漏水を、技術者が機器を用いて調査・発見する事業と、漏水監視機器L-signのシステム提供も行っております。主な受託先は各水道事業体となり、そのほか学校や工場など各種施設内の調査も実施しています。今後はアジアに業務領域を拡げて、我々の技術を現地のインフラ改善に役立てたいと考えています。新興国における漏水問題は深刻で、当社が持つ技術・製品への期待は大きく、市場としても魅力を感じています。すでにJICA、JETRO、横浜市の民間支援制度を活用し、インド・ベトナムで漏水調査業務および人材育成（技術）トレーニングに係る業務を現地水道局から受託しました。さらなる拡大を目指し、インドネシア進出を検討しています。インド・ベトナムでは文化・言葉の壁で意思疎通に苦労する面もあったので、まずはインドネシアのインターンと協働して異文化理解と現地ニーズの把握を図ることが案件形成の近道になると考え、応募しました。

工学専攻インターンのスキルを活かし
マーケット調査や展示会のフォローに従事

Q.どんなインターンシップを行いましたか？

漏水調査に関わる講習を受けた上で、活動に臨んでもらいました。また、日本のビジネスマナーを学びたいというインターンの希望から名刺交換や電話対応、取引先への同行を経験してもらいました。主な活動は、インドネシアのマーケットリサーチ（インターネット、電話等によるニーズ収集）、インドネシア語の会社・技術紹介資料作成サポート、インドネシア展示会のフォローです。インターンは工学を専攻し、河川に関わる研究に携わっていたので技術の理解が早く、資料作成や展示会準備では彼女の意見を取り入れつつ進めました。また、社員に向けてインドネシアの文化および水道事情のプレゼンテーションしてもらいました。受入れにあたってイスラム教徒であるインターンに配慮した社内環境を整えました。プレイヤールームを準備し、お祈り時間に合わせた就業時間の配慮も行いました。また、モスク、ハラルレストランやスーパーの情報を提供し、食事に宗教上禁止されている食材が含まれていないかの確認をサポートし、彼女が活動に注力できる環境づくりを心がけました。

現地水道局へのアプローチに成功
社内の異文化理解や語学スキルも高まった

Q.受入前後を比較して、あなた自身や社員・組織にどんな効果がありましたか？

今回のプログラムを通じて、インドネシアのマーケットや文化をより深く理解できました。インドネシアの関連サイトやニュースを閲覧し、マーケット調査をしてもらい、現地の課題を具体的に把握しました。また、複数の現地水道局にコンタクトをとり、ヒアリングしてもらいました。来日した海外の水道局幹部職員に当社事業のプレゼンテーションを実施してもらったこともあります。こうした基礎調査とインドネシアや海外の水道関連事業者へのアプローチをもとに、ターゲットとする水道局を3つに絞り、それぞれのニーズに沿った提案書を作成しました。これを機にビジネスを拡大できればと思います。社内の変化としては、仕事中は英語で会話し、インターンにインドネシア語レッスンも開催してもらいました。また、インドネシア料理を作ってくれて、食を通じての異文化交流もできました。彼女と活動を共にすることで、社員全体の異文化への興味・理解が深まり、今後の事業展開を見据えて、英語など語学のスキルアップに取り組む社員も増えたようです。