“世界の日精研”を目指す社員の熱意から
外国人材との協働を試みることを決める

Q.インターンシップを受け入れようと思ったきっかけを教えてください。

私たち日精研は、2023年で開発から100年を迎える心理検査「内田クレペリン検査」を主力に、心理分野のサービス事業を行っています。社員から“世界の日精研”として海外進出をもっと進めたいとの声が上がり、当事業を活用する提案がありました。応募前は、当社のような特殊な業務内容にマッチングする応募者はいるのか、会社規模的に採択されるのかなど懸念もありましたが、応募を決めてからは、新たな取り組みとなるこの事業の挑戦を、更なる海外進出への足掛かりにすると方向性が定まりました。挑戦成功のために、インターンシップには２つの目標をたてました。1つ目の目標を、海外向けの事業開発を検討し、外国人材との協働を試みること。もう１つの目標を、社員の提案で出展を決めた約30カ国から鉄道エンジニアや鉄道事業者などが集う世界鉄道研究会議（WCRR）でのアテンドを成功させることとしました。

心理検査の概要を学んだ上で
現場同行や国際イベントなどに挑戦

Q.どんなインターンシップを行いましたか？

期間中の前半をインプット、後半をアウトプットに分けて、前半はクレペリン検査を中心に、アサーション、組織開発を学んでもらう活動計画を立てました。当社の課題である部署ごとの連携がとりにくい現状を改善してもらうために、横断的に部署を回るローテーションを組みました。クレペリン検査では実際に受検し、判定のメカニズム、受検者の特徴、国内マーケットの概況やニーズを学び、海外展開や新規開拓に向けた課題を把握してもらいました。アサーションでは講義を受け、組織開発では講義と社内の組織開発に参加。組織開発の講義ではインターンは心理学専攻しているのでオブザーバーとして参加してもらいました。アウトプット期間である後半は、顧客営業への同行、試験場での検査員を実際に体験してもらいました。そして、世界鉄道研究会議（WCRR2019）の出展に向けて、事前準備や英語資料のチェック、当日のアテンド、後日のフォローと一通り行ってもらいました。インターンのおかげWCRRでは通訳なしで訪問客のアテンドを行うことができました。

国際イベントを成功に導いて
海外進出へのターニングポイントに

Q.受入前後を比較して、あなた自身や社員・組織にどんな効果がありましたか？

インターンから、外国人視点の疑問や意見をフィードバックを受けることで、業務見直しや新たな取り組みのヒントにつながりました。また、インターン受入れのプロジェクトメンバーを公募制にし、各社員に自発的に関わってもらったことと、彼女自身に様々な部署を横断的に回ってもらったことで、社内が活性化し、部署間の連携も高まりました。WCRRでは、資料やパネルの英語チェックや、会場のアテンドなど、彼女がリーダーのような役割を果たし、社員がそれにフォローする体制で出展を成功させることができました。インターンの受入によって、社員の英語への意識も向上し、海外で「内田クレペリン検査」を展開していく上でのアイデアや経験を得ることができましたし、何年かのちに、海外進出のターニングポイントになったと振り返れるような有意義な活動になりました。2020年以降は外国人材の雇用、インド以西でのサービス展開を検討していきます。海外進出の目標が遠い未来の話ではなくて、直近の目標として具体化したと感じています。