請負のみの生産体制を脱却して
独自技術とデザインで世界に挑む

Q.インターンシップを受け入れようと思ったきっかけを教えてください。

精密板金加工業に携わる当社は、幅広い業界からのご依頼を受けて、お客様のご要望やニーズに技術力で応えてきました。これまでは請負型生産体制が主体でしたが、2019年、当社初の自社商品としてアルミニウム製の蝶ネクタイ「Metal Butterfly」の販売を開始しました。精密板金加工の技術を結集し、日本のモノづくりの魅力が詰まった一品です。今後は国内のみならず、ECサイトを通じて海外にも販売していきたいと考えています。そして、これを機に社員のモノづくりへの誇りと未来を切り拓くマインドを高め、世界に挑む企業へと成長したいと思っています。海外展開にあたっては販売体制の確立が急務となります。マーケットの把握、販売経路の構築に加え、ブランディングや言語対応を海外基準にするにあたり、外国人材の力を借りることが海外展開成功につながると考え、当事業に応募しました。

インターンの視点から海外の感性を学び
販促ツールやサイトデザインに役立てる

Q.どんなインターンシップを行いましたか？

母国でグラフィックデザイナー経験があるクリエイティブ人材で、オリジナル雑貨販売のECサイトも運営しており、当社の新規ビジネスとの相乗効果が期待できました。活動では、海外向けの販促ツール作成、サイトのデザインやECシステムの構築を行いました。また、専門用語の英訳のため、社員一人ひとりにヒアリングも行ってもらいました。インターンとディスカッションを重ねる中で、日本と海外の販促の違いも明確になりました。例えば、日本のサイトでは思いやストーリーを伝えるため、文章を多く入れる傾向があります。ところが、インターンの意見から、海外ではビジュアル主体のデザインが効果的で汎用性も高いことを知り、方向性の修正をしました。社員に向けては、インドネシアの伝統や文化を学ぶセミナーを開催してもらい、親睦を深めました。社外では、インターンのオリジナル雑貨を地元イベントで販売し、成田市の「アーティスト・イン・レジデンス」で芸術を通じたまちづくりを体験してもらうなどインターンに合わせた活動をアレンジしました。

海外向けの情報発信が活性化
海外進出の道筋が見えてきた

Q.受入前後を比較して、あなた自身や社員・組織にどんな効果がありましたか？

インターンが示す驚きや感動、意見を分かち合うことで、社員に溶け込んでいき社内が明るくなりました。英語が苦手な社員もいつのまにかインターンに英語で話しかけ、全員でインターンをサポートする社内体制が出来上がっていた事が意外な成果でした。私自身の成果としては、英語力の向上を実感でき、日本のモノづくりの素晴らしさを再確認して、本格的な海外展開の道筋が見えてきたことです。今回のインターンシップ活動の達成度は150％で、とても楽しく充実した期間でした。この経験を活かし、海外への情報発信を続け、様々な魅力あるコンテンツを積み上げていきたいと思います。その一環として、インドネシアの文化であるバティックを取り入れた新商品の開発も進めていきたいです。活動終了後も、共通の販売体系やお互いの強みを活かして、ビジネスパートナーとして協力していきたいと思います。今回の経験から、外国人材登用は自社の成長にとって重要な経営資源の一つであり、中小企業にとって大きな成長インパクトになると確信しました。