外国人社員が働きやすい環境をつくり
グローバルな社内体制を確立したい

Q.インターンシップを受け入れようと思ったきっかけを教えてください。

私たちカコムスは、お客様企業のITインフラ構築に加え、システム運用・保守・導入支援サービス事業を展開し、近年は研究開発部門を立ち上げ、企業の課題解決や業務改善へのニーズに応えてきました。2017年にはグローバル展開を見据え、2名の外国人材を新卒採用しましたが、2か月半の研修を経て配属後、2名とも半年経たずに退職となりました。外国人が働く環境に不備があるのではないか、もしくはコミュニケーションで相互の行き違いがあったのではないかと解明に努めましたが、明確な答えは得られないままでした。当事業に応募したきっかけは、グループ企業が2018年度の当事業に参加し、インターンとともに優れた活動成果を上げ、終了後も良い関係が続いているという実績を聞いたことでした。インターンシップを経ることで社内の風土や制度、コミュニケーションのあり方に具体的な改善策を見い出したいと考えています。

国内外の企業に広く売り込める
ディスプレイ技術のPR映像のプログラミングに挑戦

Q.どんなインターンシップを行いましたか？

ハリーさんが生まれ育ったマレーシアの文化や生活様式、さらに彼が以前中国で行ったインターンシップを紹介する内容を社員の前で発表してもらいました。その後、研究開発部門に配属し、メンバーとの交流を深めました。活動のメインとなったのは、医療IT関連のEXPOへの参加です。当社の独自技術を伝える展示物をハリー君と社員が一緒に製作していきました。最大の見所となったのは、空中に映像を映し出し、空中での操作を実現する空中ディスプレイ。来場者を惹きつける見せ方を相談した結果「体験型の展示にしよう」とアイデアが出て、当社のロゴが徐々に浮かび上がるアニメーションで、モーションセンサーでロゴを動せるプログラム製作に挑戦してもらいました。我々の狙いどおり、当社ブースには来場者が多く集まり、インパクトを与えることができました。会場は台湾や中国からの来場者数が想像以上に多く、彼が中国語も話せたことで非常に助かりました。他にも、フォトグラメトリの開発に参加するなど研究開発にも積極的に取り組んでもらいました。

外国人目線のコミュニケーション、サポートを学び
外国人材受け入れ体制の確立につなげたい

Q.受入前後を比較して、あなた自身や社員・組織にどんな効果がありましたか？

当社の課題は「英語が苦手な社員が多い」こと。IT企業という強みを生かして翻訳ソフトを作成し、社員に配布しました。次第にソフトを介さずハリーさんに話しかける場面が増えていき、「英語ができない」という社員も実は自信や経験がないだけだったと判明しました。IT業界は英文を読む機会は多くありますが、「話す」「聞く」の機会が圧倒的に少なかったことを痛感しました。おかげで社内の英語への抵抗感はほぼなくなり、積極的な姿勢が高まりました。活動中に気をつけたのは説明にしっかり時間をかけて、質問には納得してもらうまで丁寧に答えることでした。とくに日本人のコミュニケーションは曖昧な表現が多く、その点を努めて改善するように心がけました。海外から来られる方は、近くに頼れる家族もおらず、言葉の壁などで助けを求めにくい環境にあります。今後外国人材を採用していく際は、彼らに合わせた制度やサポート体制の確立も必要だと実感しました。今回の学びや体験を生かし、外国人受け入れ体制を整えていきたいと考えています。