将来の成長が見込めるインド
情報や市場ニーズを把握したい

Q.インターンシップを受け入れようと思ったきっかけを教えてください。

大正7年（1918 )に創業し、時代に応じた先端技術分野で発展してきた当社では、次の100年も成長しつづける企業であるために、海外市場向けビジネスの拡大や優秀なグローバル人材の雇用を課題に掲げています。中でも、12ある海外拠点のうち、伸び悩んでいたインド拠点をどう展開するかは中期戦略のターゲットでした。インドでの人材の発掘や活用、インド市場の調査・分析といった今後の課題を考えると、まずはインド人のインターンを社内に受け入れることが糸口になると考え、応募を決めました。受け入れ前の事前研修では、インターンの希望をヒアリングしたうえで、我々の目的とすり合わせながら、受け入れ体制を協議。その結果、インド市場を理解するうえでは人と人の交流が欠かせないと考え、インターン担当指導社員を持ち回り制にして、社員と広くコミュニケーションをとれる体制を準備しました。

技術やビジネス手法をじかに学び
インドでのビジネス提案につなげる

Q.どんなインターンシップを行いましたか？

インターン初日に3ヶ月間の活動内容や目的について話し合い、スケジュールを立てました。私どもはインド人の価値観や習慣、文化、経済状況などを吸収してビジネス展開につなげる目的があり、インターン側は日本のビジネスに携わることを希望していたので、共通の最終ゴールを「インドでのビジネス展開の提案」と設定しました。前半期は、当社のさまざまな部門で実習し、当社の製品や技術の知識に触れて、提案の素地となる知識を獲得してもらいました。物理学と工学の専門分野を有するインターンなので、吸収や理解は驚くほど早かったです。後半期は、ビジネス手法や分析方法を学んでもらいながら、提案を作成する時間に充てました。期間中は、目的意識を明確にしてもらうためと、社員とのコミュニケーションを深めるために、持ち回りの担当者や関わっている部門の担当者がその日の活動内容や目標を話し合うミーティングを毎朝欠かさず実施しました。おかげで英語に苦手意識がある社員も積極的にコミュニケーションを図ることができました。

実現可能性の高いビジネス提案で、インド拠点の活性化につながった

Q.受入前後を比較して、あなた自身や社員・組織にどんな効果がありましたか？

インターンによる「インドでのビジネス展開の提案」は、市場・競合の分析や調査内容が斬新で、エンジニアのコネクションから得た情報も盛り込まれており、社内で高い評価を受けました。中間発表では経営企画のトップにもプレゼンテーションに同席してもらい、ビジネス化できる提案とも感じられたので、弊社側の要望や質問事項を出し、最終案へと仕上げてもらいました。その結果、実現可能性が高いと判定され、インド拠点に提案することになりました。実現に向けてはさらなる調査や調整が必要ですが、伸び悩んでいたインド拠点の活性化になり、新たな動きが生まれるきっかけになっています。インターンを受け入れたことで、弊社のビジネスの可能性が広がり、インド展開のための課題も明確になりました。また、彼らが大学やエンジニアとのコネクションをつくってくれたので、今後優秀な人材を獲得するつながりができたことも大きな収穫です。彼らを受け入れてみて、高度人材はグローバルに通じ、専門分野が違う場合も理解が早く、考え方もロジカルなことを実感しました。