ICT技術と新規事業の発展に向け、外国人材の力を借りたい

Q.インターンシップを受け入れようと思ったきっかけを教えてください。

当社は昭和25年（1950）の創業以来、地域の建設業として、公共事業の河川や道路等の土木工事を請け負うとともに、災害発生時の復旧工事を実施しています。現在、建設業界では人手不足に伴い、ICT技術を取り入れた効率化が求められています。当社では早くから日本独自の情報化施工（CIM）を導入し、当社発信の映像を活用した施工（映像CIM)で現場の“見える化”を図り、設計図を3D表示する三次元管理を進めてきました。また、新規事業としては、真夏の打ち水効果を発揮する「涼感塗装」の開発に取り組んでいます。さらなるICT技術の推進と新規事業の拡大に向けて、従来のやり方にとらわれず会社の枠組みを広げたいと考えています。そこで海外のICT技術に明るい優秀な人材を受け入れ、CIM技術と映像CIMの仕組みの有効性を議論しながら発展に向けて一緒に取り組みたいと考え、インターン受け入れを希望しました。

土木の専門用語を共通言語に、当社独自の技術の有効性を議論

Q.どんなインターンシップを行いましたか？

インターンには、最初に映像CIMを説明し、安全管理・品質管理・生産性向上に如何に有用であるかの議論に参加してもらいました。活動計画は、現場の施工計画から管理・映像CIMの習得・コスト管理の3つに主軸を置きました。前半は設計図からの3Dモデル・CADの作成、カメラセッティングの計画をしてもらったうえで、実際の現場で日本の施工管理を体感してもらいました。後半は、実際の現場の原価管理について学んでもらいました。2人とも能力が高く、こちらが与えた課題も難なくクリアし、当初の計画よりも前倒しで進みました。用意していたタスクが早めに終わったので、パンフレットや土木信条17条等の翻訳をお願いしました。当初は言葉の壁がありましたが、2人とも土木専攻であるため、土木の専門用語についてはお互いの知識とニュアンスで意思疎通ができたのは良かったです。また、インターンの一人が若干日本語を話せて、もう一人は土木での実務経験があったため、お互いに助け合いながら活動を進めてもらうことができました。

土木技術で世界を目指すにあたり
外国人材との関係づくりに自信

Q.受入前後を比較して、あなた自身や社員・組織にどんな効果がありましたか？

ICT化は日本の建設業界はこれからですが、海外では広く使われており、使いこなす若い人材も多いと、彼らを受け入れて体感しました。また、日本のCADは翻訳版ですが、英語のオリジナル版で勉強しているインターンの方が裏技を知っていたりします。優秀なインターンたちから社員も大いに刺激を受けました。今後、優秀な外国人材を受け入れることで、会社全体のレベルを高めて仕事の幅を広げ、日本や当社独自の土木技術を世界に伝えていけたらと思います。今回、外国人材を受け入れてみて国籍・文化・言葉にとらわれず、人と人として向き合い関わることが大切だと感じました。仕事の価値観や仕組みは海外と日本では異なる部分もあると思いますが、まずは1人でもこちらの想いや理念を理解してもらえる関係性を築く、それが次につながっていくと思います。インターンの1人は将来、「難民のために家を建てたい」という夢を持っています。当社としても、彼の夢をネットワークづくりなどの面からサポートしていきたいと考えています。