アフリカ進出に向けた突破口と
社内の意識改革をめざして

Q.インターンシップを受け入れようと思ったきっかけを教えてください。

私たちはフレキシブルコンテナバッグ、ノーパンクタイヤの産業資材の生産・販売、金属資源リサイクル事業を手がけています。2014年は東南アジア展開の拠点となるベトナムに進出を果たし、将来的にはアフリカに拡大する事業計画を立てています。その突破口となるのがエチオピア。アフリカ最貧国で外貨や資源不足に苦しむエチオピアは国内産業が未成熟で、産業用タイヤすら輸入に頼っています。その一方で、大量の廃タイヤが放置されて、環境汚染も危惧されます。そこで私たちの技術で廃タイヤを再生し、流通させるプロジェクトをエチオピア政府と企業に提案し、産業振興と環境保護に貢献したいと考えています。このプロジェクトを進めるにあたり、エチオピアの調査、現地とのコミュニエーションを介する人材が必要です。また、社内における外国人との協働体制、英語コミュニケーション強化を図るべく、英語人材をインターンとして受け入れることを決めました。

エチオピアの調査と人脈開拓と
社内での英語活用の機会拡大に

Q.どんなインターンシップを行いましたか？

エチオピアの輸出入統計、タイヤの現地流通価格、廃タイヤや金属スクラップの発生・リサイクル状況など多岐にわたり調査してもらいました。さらに、フレキシブルコンテナバッグの販路拡大の可能性を探るべくヨーロッパや北米のマーケットや特許の調査も依頼。これらの調査と並行して、エチオピア現地企業への電話ヒアリングを進めてもらいました。社内に向けては、環境保護や経営を専門とするインターンの経歴を生かし、国連が提唱するSDGs（持続可能な開発目標）のプレゼンテーションを披露。SDGsは企業が経済活動を通じて、貧困問題の解決やクリーンエネルギー実現など目標達成を目指すアクションプランで、グローバル企業を目指すうえで欠かせない理念です。開発途上国とのビジネスで当社が果たせる目標は何か、社員同士の議論が大いに盛り上がりました。言語に関しては、社員が交替でインターンと日本語・英語レッスンを毎日実施。レッスンを通じて全社員との交流が生まれ、社員自身の英語のトレーニングにもなりました。

事業提案を果たし、事業化の一歩
海外進出への土台づくりが進んだ

Q.受入前後を比較して、あなた自身や社員・組織にどんな効果がありましたか？

インターンの実施した調査内容は、今後エチオピア政府や企業に提案を進める説得材料となる基礎的な資料となりました。エチオピア現地企業への電話ヒアリングでは、セメント企業とのアポイントを獲得。先般、我々が直接交渉に出向き、廃タイヤの燃料資源活用を提案することができました。廃タイヤ活用の一事業として、引き続き交渉を続けて行きます。当社は英語を話せる社員が少なく、日本語をまったく話せない英語人材の登用はかなり迷いがありました。苦肉の策として始まった英語・日本語レッスンは、社員も次第に楽しみにするようになり、「今までの人生でこんなに英語を使ったことがなかった」との声も出ました。今後はインターンを含めた外国人材登用も検討しており、受け入れの土台づくりとして英語人材を受け入れて、本当によかったと感じています。インターンのひたむきな取り組みが、海外進出に向けた社員の意識を高めてくれたと感じています。