世界基準システムへの移行と
海外顧客とのビジネスの活性化・獲得に外国人材が必須

Q.インターンシップを受け入れようと思ったきっかけを教えてください。

当社は昭和25年（1950）に創業し、自動車製造や建築資材で使用されるパイプ加工の工作機械や工作ロボットの設計・製作をしています。現在、世界20ヶ国近くに輸出していますが、外国語のできるグローバル人材が社内におらず、顧客との直接交渉が広がらないことが課題でした。例えば、ウズベキスタンの顧客企業は20年来のつながりがありながら、取引拡大や人的交流がほとんど進んでいません。また、当社が必要とする制御系のプログラミングができる人材は日本国内でも希少であり、外国人材の採用を視野に入れていました。こうした状況から、顧客国との交流の活性化とグローバル基準に合わせた製品システムの移行の足がかりを掴むために、設計部門で外国人材との協働を試みたいと思っていたところこの事業を知りました。

システム移行のプロジェクトに任命
言葉の壁を乗り越えて交流を図る

Q.どんなインターンシップを行いましたか？

主に、自社で採用しているFA機器環境の制御盤を、世界基準である最新のPC機器環境へ移行するプログラミングを進めてもらいました。私たちの英語もインターンの日本語も完璧ではありませんでしたが、図面・数学、プログラミング言語という共通の専門用語を用いて意思疎通できたので問題なく計画を進める事ができました。インターンは吸収力が高いので、彼のほうが機転を利かせて柔軟に対応してくれたとも思います。受け入れにあたっては、インターンが若く自国での就業経験が浅いこともあり、できるだけ堅苦しくない雰囲気で活動してもらえるアットホームな環境づくりを心がけました。日本のことを知ってもらうことが働きやすさにもつながると考え、食事やイベントなど活動以外でのコミュニケーションを活発に行ないました。また、インターンの宗教にあわせた食事への配慮に加え、初めての日本での生活になじめるように生活面のサポートにもできるかぎり務めました。

世界基準のシステム整備が前進
事業拡大のヴィジョンが広がった

Q.受入前後を比較して、あなた自身や社員・組織にどんな効果がありましたか？

プログラミング過程ではテスト段階でエラー見つかるというトラブルもありましたが、インターンと社員が協力して乗り越え、無事に目的を達成してくれました。さらに、ウズベキスタンのお客様に連絡を入れ、リコネクションができました。当初私たちが思い描いていた「グローバル人材と協働し、世界基準のシステムに近づけたい」という目標が現実味を帯びて、未来に向けた事業拡大のヴィジョンが描けたと感じています。社員も新基準への道筋がイメージできるようになったと思います。また思わぬ収穫として、インターンに指導することで社員自身の知識向上やスキルアップにつながり、個々のもてる能力が顕在化しました。今回の経験を通じて、外国人材の採用にあたっては、その国の宝を預かっていることを意識し、フェアに付き合っていくことが大切だとあらためて感じました。それは、世界を志す国内グローバル人材へもアピールにもなり、国内人材採用においても有利となると思います。それは、世界へ挑む中小企業が事業を拡大させるための近道につながると思います。