アジア輸出に向けて外国人材との協働
ゼロからの基盤づくりをスタート

Q.インターンシップを受け入れようと思ったきっかけを教えてください。

当社は、昭和5年（1930）から伝統製法による黒酢とこんにゃくの製造・加工、販売を手がける社員約15名のアットホームな会社です。健康食材として世界的にも関心が高まっており、アジア地域への輸出拡大を目指していますが、当社で手がけるにあたってノウハウや情報が社内にまったくありません。輸出業務のプロセスといった基本的な知識から、アジアではどんなニーズがあり、どのような商品が好まれるのかなどマーケティング情報を得たいと考えていました。また、私自身が若い頃、研修生としてヨーロッパに住んだことがあり、その恩返しとして今度は受け入れる立場になりたいという気持ちもありました。私を含め社員たちも外国人材と協働することで、外国語や外国人への苦手意識をなくし、新たな事業拡大の可能性を広げたいと考えてインターン受け入れを決めました。

海外輸出用の販促ツールづくりや
外国人目線の発想で新風を巻き起こす

Q.どんなインターンシップを行いましたか？

サイトやパンフレット、企業理念の多言語化、FCP（フード・コミュニケーション・プロジェクト）用のシートなど海外輸出用の販促ツールの作成、さらに海外見込顧客へのメール送信、外国人目線での商品への意見出しをお願いしました。こちらからタスクや要望を出すと、インターン２人はそれに応えるように積極的にアイデアを提案してくれました。打ち合わせは日本語・英語を交えて密に行ない、つねに見直しや振り返りをしながら活動に取り組んできました。各自で日本語レベルや経験・知識の違いはありましたが、お互いに補い合ってくれていました。コミュニケーションの時間を重ねるにつれて、日本・タイ・インドの異文化理解が自然と進んでいったと思います。また、当社や地域の各種イベントとインターン期間が重なったことで、地域の方や学生など様々な人と関わってもらうことができました。例年と比べてグローバルな雰囲気がプラスされた充実した内容となり、2人は新しい風を吹き込み、笑顔の輪を広げてくれました。

世界に通ずる自社理念と確信を得て
タイ・インドで展示会出展を決める

Q.受入前後を比較して、あなた自身や社員・組織にどんな効果がありましたか？

海外向けパンフレットなど販促ツールが完成し、タイ・インドのニーズや嗜好も把握できて、アジア輸出に向けた基盤づくりが前進しました。また、当社の企業理念の翻訳作業では2人から共感が得られ、文化や習慣の違いはあっても私たちが大切にしている価値は世界に通じるとわかりました。インターンが翻訳した企業理念は自社サイトに掲載し、世界に向けてアピールしていきたいと思います。また、2人が送ったメールによい手応えがあり、今後交渉を継続して成約につなげられればと思います。社内では当初、英語で話すことへの抵抗感がありましたが、いつのまにか英語で会話するようになった変化に驚きました。受れ入れ前はさまざまな不安がありましたが、始まってみるとどれも取り越し苦労にすぎませんでした。この経験を生かして、海外へのチャレンジを積極的に進めていきたいと思います。まずは第一歩として、２人から得たマーケット情報を生かして、2019年度はタイとインドの展示会に出展することを決めました。