海外事業展開の足がかりとして
インターンの情報と市場調査に期待

Q.インターンシップを受け入れようと思ったきっかけを教えてください。

当社は2014年の開業以来、屋台やフードトラック、ポップアップストア向けのインフラサービス開発に取り組んできました。ソフト面ではイベント主催者と出店者をマッチングするウェブサイト等のプラットフォームを提供し、ハード面ではフードトラックの屋外コンセント等のインフラ設備も手がけています。創業当初からフードトラックが盛んな東南アジアはじめ海外市場に進出したいと考えていましたが、当社のようなスタートアップ企業が海外で勝負するには組織力、調査力、資金面が不十分である一方、組織体制が完全に整ってからでは遅いという悩ましい状況でした。そんなとき、当プログラムを知り、インターンシップを通じてインターンの持つ母国の情報やネットワークを活用した市場調査、チャンネルづくりを行うことを決めました。インターンは、英語能力を前提として日本語能力の有無にこだわらず、技術者もしくはエンジニアを希望しました。

幅広い業務を経験したうえで、市場調査や事業提案につなげる

Q.どんなインターンシップを行いましたか？

まず当社のビジョンや独自システムや技術、ターゲット領域を把握してもらうことから活動計画をスタートしました。さらに大企業から個人事業者まで取引先企業の訪問と展示会での応対、大学・研究機関への訪問、企業間連携ワークショップへの参加など幅広く活動して当社の事業内容を理解してもらい、メイン目的であるインターン出身国の市場調査やチャンネル開拓、出身国のニーズに合わせた事業コーディネートに取り組んでもらいました。期間中は、インターンと密にコミュニケーションをとり、本人の興味や得意に合わせて活動内容を調整していきました。また、日本のビジネスマナーや慣習を知ってもらうだけでなく、茶道や温泉、日本料理、たこ焼きパーティなど広く日本文化に親しんでもらえるように努めました。インターンはともにムスリムで、彼らから希望があったのがモスク礼拝です。ムスリムにとって金曜はモスクに行く重要な日だと知り、金曜日にモスクに行くことを許可しました。宗教上の習慣については、本人たちに確認しながら随時、柔軟に対応していきました。

東南アジアでのチャンスを発見
海外展開へのビジョンを描けた

Q.受入前後を比較して、あなた自身や社員・組織にどんな効果がありましたか？

まず、英語人材であるインターン2名を受け入れたことによって英語を使う頻度が増加し、社内の英語力向上につながりました。また、インターンの行った市場調査から、国内市場とインターン出身国の市場ではニーズや志向がかなり異なることが判明しました。これまで海外事業計画は漠然としていましたが、インターンから説得力のある意見や裏付けデータが示され、東南アジアに大きなチャンスがあることが改めて浮き彫りになり、海外展開に向けた事業ビジョンが明確になってきました。具体的には、大手企業へのプレゼンをインターンに協力してもらったことで、現在、協業の検討段階に入っています。また当初、想定していなかったのですが、インターンの親族を通じて当社の既存事業にはない貿易事業のビジネスチャンネルが開拓できそうな可能性も出てきました。インターンとは帰国後もコンタクトを取っており、 2019年1月末からインドネシア・マレーシアに当社社員が趣き、彼らの協力のもとで本格的な市場調査がスタートしています。