外国人講師が日本の教育現場で活躍できるか確かめたい

Q.インターンシップを受け入れようと思ったきっかけを教えてください。

当社は、長野県を中心に主に学習塾を展開しており、2018年で創業41年を迎えました。混沌とした変化の時代にあって、人の育成こそが明るい未来への突破口になるという企業理念の下、教育事業に邁進してきました。これまで教育サービスは、対象の多くが日本人生徒であることから、外国人が働くのは難しいといわれてきた業種です。しかし、日本人にはない知識や価値観など異なる背景を持つ外国人の指導を受けることは、生徒たちの未来の可能性を広げ、英語力の向上にもつながります。当社スタッフにとっても、外国人材との協働は教育従事者として視野を広げ、成長するのに役立つのではないかとかねてから考えてきました。また、当社としては今後、東南アジア諸国への進出拡大を視野に入れていることから、本プログラムへの応募を決めました。

日本人スタッフと同じ活動をこなし
生徒一人ひとりの個性に合わせた指導・新規企画実施！

Q.どんなインターンシップを行いましたか？

外国人材が日本人生徒を対象とした教育に携わる効果を見極めたかったので、日本人スタッフと同じ活動に従事してもらいました。英語のレッスン、学校の勉強についての質疑応答など生徒とのコミュニケーション、教室の掃除や整理整頓、さらに、学校スケジュールに合わせて指導方針を決める週1回の会議にも参加してもらいました。そして、生徒向けには「ホームルーム」の時間を設け、インドネシアについてのプレゼンテーションやインターン自身の体験談などを披露。特にインドネシアについてのプレゼンはパワーポイント70枚におよぶ力作で、生徒は異文化を肌で感じとり、インドネシアと日本の違いを知ることができました。また、インターンの提案で、高校生が英語に親しむ「イングリッシュトークセッション」という英会話の会を開催。自分の趣味や関心分野を会話のテーマにすることで、生徒たちに英語を話す楽しさを感じてもらう指導をインターン自ら行ないました。

生徒の学ぶ姿勢に変化、成績アップ！
スタッフはコミュニケーション方法を見直すきっかけに

Q.受入前後を比較して、あなた自身や社員・組織にどんな効果がありましたか？

生徒および日本人スタッフ双方に大きな効果をもたらしました。1つめは、生徒たちの変化です。インターンが考案した「イングリッシュトークセッション」をきっかけに、「英語＝評価＝苦手」という感覚がなくなり、インターンの前だと緊張せずに英語が話せるようになっていきました。なかには、英語テストが40点アップした生徒も現れるほどで、この変化には本当に驚きました。２つめは、日本人スタッフのコミュニケーションが変わったことです。価値観や思想の異なるインターンに「わかりやすく伝える」ことを心がけるようになってから、スタッフの間でも目線や理解度を意識するようになり、コミュニケーションの質が高まりました。これは予想外の成果でした。今回の受入で、外国人でも日本の教育業で重要な役割を果たせることが実証され、「外国人だから」という先入観を持たずに、多様性を受け入れる大切さを学びました。インターンとは今後も連携をはかり当社の海外進出を共に推進していく予定です。こういった人材に出会えたことも大きな収穫です。