インターンシップの2年後・・・
インド市場に関しての知見構築、ビジネス拡大
インド市場開拓提案
大正7年(1918)に創業の精密機械製造・販売会社。主力商品である精密小型モータ、ドライバ、アクチュエータ等の研究開発から設計・生産を一貫して行い、世界各地の顧客のニーズに合わせたソリューションを提供している。
インド拠点は販売が中心で技術者が不足していたため、インターンの1名をエンジニアとして採用し、働いてもらっています。優秀なので、新規ビジネスに不可欠な技術者視点での提案が出来るようになることを期待しています。採用で苦労したことは、給料問題です。インドでの採用、日本での採用の2つが考えられましたが、インド採用の場合は、既存の拠点メンバーとの給料のバランスを考慮する必要があり、日本で採用する場合は、いずれインド拠点で働く可能性を考慮する必要があったためです。結果として既存の拠点メンバーの待遇を入社するインターンに併せて上げ、バランスをとりました。あとは育成です。技術者を育てるには時間がかかります。一方でインド市場は急成長しており、ギャップを埋めるためにどのような育成を行うか議論を重ね、最終的に日本で複数回、社内インターンシップを実施することにしました。インド支社の社員にも技術研修を受けてもらい、技術の底上げとモチベーションの向上が図れました。
真面目で技術力もあり誠実な人柄のインターンと生活を共にする中で、日本の社員のインドに対する見方に変化が生まれました。消極的だったインド市場開拓に対する期待が高まり、一緒に切り開いていこうという気運が高まったのです。受入れ期間中にインターンに関わった日本の技術者も英語でのコミュニケーションにチャレンジするようになり、外国人とのコミュニケーションに対する壁は低くなりました。本社の雰囲気も大きく変わりました。これまで海外の販促会社から人材を預かり実施してきた本社研修は、日本語が喋れる人材のみが対象でしたが、インターンの受入れ経験が土台となり、人材受入れのハードルが下がりました。昨年の研修には元インターンだけでなく、アメリカ、ドイツ、メキシコからの人材も同時に受入れ、色々な国の人が社内にいるのが普通という雰囲気になってきています。
入社してくれたインターンには、当社の強みであるモータに関する技術を覚えてもらい、10年後のインド市場を開拓するエンジニアになってほしいです。世界に標準品を供給するにとどまらず、国・顧客毎のニーズに対応できる技術を提供できることが当社の強み。インターン期間中に実習したインド市場に対する提案を、今度は当社の技術者という立場で戦略を再策定して、実践してもらい、我々も一緒にインドでの新しい市場の開拓に挑戦したいと思います。引き続き彼の力を借りながら優秀なインド人技術者を採用し、インド拠点を成長させるという正のサイクルが回せるように、自社での人材採用にも挑戦していきたいと考えています。最後に日本側でも海外人材が全世界で活躍出来るように文化の違い、働き方の違いなどを理解し、更に働き易い環境作りに全社で挑戦していきたいと思います。
当時は、大学を卒業したばかりで、実践経験を積み能力を試すよい機会だと思い活動に参加しました。インターンシップを終える頃には、シナノケンシでの経験は様々な角度から私に良い影響を与えてくれる、仕事文化を学ぶのにパーフェクトな会社だと思うようになり、インターンシップ後に入社しました。
働くうちに日本とインドの違いも見えてきました。シナノケンシではレポートを週1回は提出し、社内での意見交換も頻繁に行われます。一方でインドの会社では報告は月1程度、ディスカッションの機会は稀です。日本企業は、礼儀正しくチームワークも強く、各々が意見を持ち自立している等の美点があります。一方で国際化を推進していくためには英語力の向上や地域に根差した市場調査や顧客研究を進めていく必要があると思います。私自身も日本語の勉強や、日本の技術をさらに学んでいきたいと思っています。